ホームゲートウェイ、ONU、ルーター、モデム…「違い」って何?

ホームゲートウェイ、ONU、ルーター、モデム…「違い」って何?

ホームゲートウェイ、ONU、ルーター、モデムなど、インターネットを利用する際に使う、機器を指す名称は色々とあります。

インターネットを利用している人であれば、一度はどれかしらの名前を耳にしたことがあると思いますが、ホームゲートウェイやONUはあまり聞きなれない名前ですよね。

実際に
『ホームゲートウェイって何?』
『ONUって聞いたことない…』
『ルーターとモデムは違うの?』
などの疑問を持っている方も多いのではないでしょうか?

そこで今回は、ホームゲートウェイ、ONU、ルーター、モデムの違いや特徴について紹介していきます。

※表示価格は税込みです。

ホームゲートウェイ、ONU、ルーター、モデムの違い

まず始めに、ホームゲートウェイ、ONU、ルーター、モデムの違いについて簡単に説明します。

  • ホームゲートウェイ(HGW):光回線でONUの機能+ルーター機能+ひかり電話ルーター機能を兼ね備えた機器のこと
  • ONU:光回線で光ファイバーケーブルを流れる光信号とLANケーブルを流れる電気信号の相互変換ができる機器のこと
  • ルーター:光回線とADSLで別々のネットワークを接続するための機器のこと
  • モデム:ADSLで電話線を流れるアナログ信号とLANケーブルに流れる電気信号の相互変換機器のこと

ホームゲートウェイとONUの違いは、ホームゲートウェイの方がONUより多機能な機器であるということです。ルーター機能内蔵のホームゲートウェイの場合、1台で複数のパソコン・スマホをインターネットに接続できます。

それでは、一つずつ特徴を見ていきましょう。

ホームゲートウェイ(HGW)とは?

「ホームゲートウェイ」は、光電話に対応したルーターのことを指しますが、ホームゲートウェイのことをルーターと呼ぶ人もいます。

NTT東日本・西日本のフレッツ光、もしくはそのフレッツ光と同じNTT東日本・西日本の回線を利用した光コラボか、ひかり電話を使う際の機器のことを表します。ホームゲートウェイの利点は、ルーター機能を内蔵していることに加えてWiFi接続に対応しています。

ホームゲートウェイは通信会社(auひかりなど)がレンタルしている機器で、プロバイダ情報などもインプットされているため自分で購入することはできません

V6プラス導入の際は増設は不要で、設定方法も特になく、契約しているプロバイダがV6プラスを有効化した時点で利用できます。ちなみに「V6プラス」は、IPv6IPoE+IPv4 over IPv6サービスのことです。

通信方式(プロトコル)の違い

通信方式(プロトコル) IPv4対応サイト IPv6対応サイト 対応プロバイダ
IPv4PPPoE 遅い 遅い ほぼすべて
IPv6PPPoE 遅い 遅い 多い
IPv6IPoE 遅い 速い やや多い
V6プラス
(IPv6IPoE+IPv4 over IPv6)
速い 速い 極めて少ない

「IPv4PPPoE」は標準的な通信方式で、インターネット加入者の増加ととも回線が混雑してしまうため、夜間帯は速度が遅くなる傾向があります。

「IPv6IPoE」は、IPv6対応サイトの速度向上が見込める通信方式です。ただし、対応回線、対応プロバイダ、対応機器が必要になります。

ONUとは?

「ONU」光回線終端装置という名称の機械のことを指します。

光ファイバー内で使われているのは光信号であり、光信号のままでは端末側でデータ側でデータ認識をすることはできません

他の中継機器との違い
・「ONU」は光信号と電気信号の相互変換する機械のこと
・「モデム」はアナログ信号とデジタル信号の相互変換する機械のこと

ONUはモデムと同じ機能の機器のことで、モデムは電話回線を使用してインターネットに接続しますが、ONUは光回線を使用してインターネットに接続します。

インターネットに接続する際は、以下の経由方法で接続します。

  • パソコン ⇒ WiFiルーター ⇒ ONU ⇒ インターネット

ちなみに、ONUもLANケーブルを使用することで、WiFiルーターがなくてもインターネットに接続できます。

ルーター機能付きONU

ルーター機能付きONUなら、それ1台で信号の変換や回線の分岐が行えます。

集合住宅では、「光配線方式」「VDSL方式」がありますが、もう一つ、「LAN配線方式」があります。電線から建物の共有部分にある集合型の回線終端装置に光ファイバーを接続すると、光信号から電気信号に変換してくれます。

それによってインターネット接続ができるようになります。

ONUの利用料金

では、このONUを利用するのに料金はいくらかかるのでしょうか?

auひかりの場合

レンタル料金もなく無料で利用できます。契約して工事をするとONUを設置してくれます。

ソフトバンク光の場合

工事が終わるとONUが設置されますが、こちらも別途料金は発生しません

ドコモ光の場合

工事が終わるとONUが設置されますが、前の2キャリア同様に料金は発生しません

フレッツ光 NTT東日本の場合

NTT東日本エリアでは、ONU一体化ルーターを契約する場合、専用の料金プランを選ぶ必要があります。

ファミリー(戸建て)タイプの場合は「ギガファミリー」「スマートタイプ」、マンション(集合住宅)の場合は「ギガマンション」「スマートタイプ」いずれかの契約です。

ONU一体型ルーターレンタル時
(にねん割引適用)
ファミリータイプ 5,500円 + プロバイダ料金
マンションタイプ 3,575円〜4,675円 + プロバイダ料金
Wi-Fi機能なしのONUレンタル時
ファミリータイプ 5,940円 + プロバイダ料金
マンションタイプ 3,355~4,455円 + プロバイダ料金

フレッツ光 NTT西日本の場合

NTT西日本エリアでは、WiFi機能付きのONU一体型ルーターを利用する場合、別途料金が発生します

ONU一体型ルーターレンタル時
(光はじめ割適用時)
ファミリータイプ 1~2年目 5,115円 + 別途プロバイダ料金
3年目以降 4,906円 + 別途プロバイダ料金
マンションタイプ 1~2年目 3,960円 + 別途プロバイダ料金
3年目以降 3,773円 + 別途プロバイダ料金
Wi-Fi機能なしのONUレンタル時
ファミリータイプ 1~2年目 5,005円 + 別途プロバイダ料金
3年目以降 4,796円 + 別途プロバイダ料金
マンションタイプ 1~2年目 3,410円 + 別途プロバイダ料金
3年目以降 3,223円 + 別途プロバイダ料金

ONUとONU一体型ホームゲートウェイの違い

ONU

  • 光ケーブルが送ってくれる信号を利用できる形に変換してくれる
  • 光電話の使用はできない
  • LANポートは1つしかない
  • WiFiルーターをつないでWiFiが利用できる

ONU一体型ホームゲートウェイ

  • 光ケーブルが送ってくれる信号を利用できる形に変換してくれる
  • 光電話が利用できる
  • LANポートが4つある
  • LANカード差込口にLANカードを挿すだけでWiFiが利用できる

ホームゲートウェイで無線LANカードを使用したい場合は、別途申し込みをすることでレンタルができます。

無線LANカードの標準的なレンタル料金
無線LANカード 110~330円/月

ルーターとは?

「ルーター」は、WiFiルーターのことを言います。

WiFiルーターだけではインターネットに接続することはできません。インターネットに接続するためには、ホームゲートウェイやONUとパソコンをLANケーブルで有線接続が必要になります。

ホームゲートウェイやONUは無線接続できないため、ホームゲートウェイやONUとパソコンの間にWiFiルーターを介すことでWiFi接続が可能になり、一度に複数の機器(パソコン・スマホ・ゲーム機など)をインターネットに接続することができるのです。

ルーターは、有線専用のルーターと無線も利用できる無線LANルーターがあり、現在は無線LANルーターが主流となっています。

ただ、無線LANルーターだけではインターネットに接続ができないので、無線LANルーターをONUやモデムに接続する必要があるのです。

無線LANの規格

無線LANには、6つの規格と3つの周波数帯があります。IEEE802.11は国際的な標準規格です。

現在の主流は「IEEE802.11ac」となりますが、「IEEE802.11ax」に対応した機種も見られるようになりました。

規格周波数帯最大通信速度
IEEE802.11a5GHz54Mbps
IEEE802.11b2.4GHz11Mbps
IEEE802.11g2.4GHz54Mbps
IEEE802.11n2.4GHz/5GHz600Mbps
IEEE802.11ac5GHz6.9Gbps
IEEE802.11ad60GHz6.8Gbps
IEEE802.11ax2.4GHz/5GHz9.6Gbps

モデムとは?

「モデム」は、アナログ信号とデジタル信号を相互に変換する機械のことを指します。

モデムを利用すると、電話回線を使ったインターネット回線を利用してインターネット接続が可能なため、ONUのことをモデムと言う人もいます。

ADSLなどの電話回線でインターネットを接続するには必ずモデムが必要になります。モデムやONUは接続できるパソコンは1台だけですが、ルーターはパソコンやスマートフォンなどの複数の機器を分類・分岐し、インターネットへ接続できるようにしてくれるのです。

また、マンションや集合住宅は、屋外の電線から光ファイバーを屋内に引き込み、光スプリッタという機器で分岐させて各家庭に光ファイバーを配線する方法があります。

まとめ

今回はホームゲートウェイ、ONU、ルーター、モデムの違いについてご紹介しましたが、いかがでしたでしょうか?

4つにはそれぞれの特徴があり、契約内容や設備によって利用する機器が異なってきます。

ですが、覚えたとしてもインターネットを利用する際に、特別プラスになるという訳ではないので、僕的には『そうなんだ』と知っておく程度で良いと思います。

インターネットを使っている中で、『これって何のことだったけ?』という時にでも読み返してもらえたら嬉しいです。